「そこに在るだけで」 安藤氏の彫刻との出逢い



過去、自分は現代彫刻を理解しようとするほどに、その距離をつくってしまっていた。

しかし安藤雅信氏の器にご飯を盛り、花器に花を入れ光を通して眺める日々が

私の物差しの目盛りを塗り替えてくれた。

おそらく今は、以前とは全く逆方向からモノを見つめている。

安藤さんの彫刻に触れて、「自分の中の結界を越え、新しい世界から景色を見つめてみたい」と

願うようになった。

それからは、生活に無用なモノでも「そこに在るだけで」と胸弾むモノとの出会いを重ね、

それが不思議な喜びにつながった。

そして、なぜか自分の存在にすら、優しくなれたような気がしている。

安藤氏の作品に触れることで、モノとの関係性を自由に探っていただきたい。


沼田塾 沼田みより
 今回会場を共にコーディネートして下さる FOUCAULT++さんより

安藤さんといえば、ある雑誌の中で「裏民芸派」と
いうことをおっしゃっていたのが強く印象に残っています。
その後、清川の店に来ていただく機会があったのですが、
『用の美』『民芸』といった、使い古された言葉に頼らずに、
毎日の暮らしの中であらためて使う嬉しさを感じられる、
そんなモノを提案する安藤さんの試みは、
とても力のいることだと思います。
それでも数多く作り続けることによって、
誰もがしっかり使えるモノを作ろう、またそのモノによって
人と人とを結びつけていこうとする安藤さんの動きは、
大変興味深く、 私たち自身、そんな安藤さんの手から
生み出されたモノを見てみたいという
気持ちでいっぱいなのです。
 
  FOUCAULT++ (フウコウ)
福岡市中央区今泉2-4-24 ヴェルミドミール今泉208
TEL050-5532-8625  http://gdiseisha.jp
 安藤雅信プロフィール

「ギャルリ百草」店主。茶人、陶芸家、彫刻家、アートプロデューサー


1957年、岐阜県多治見生まれ

武蔵野美術大学彫刻学科卒業。 学生時代はジャズに明け暮れる。

1981年現代美術作家活動を始める。
アルミ、コンクリート、土・・・・コンセプチュアルなアートを追求しながらも、
一方で 西洋美術の文脈だけで創作することに違和感を感じる。

29歳、茶道を始める

32歳 アジアへ放浪の旅。インドにて仏教を学ぶ。

1990年代,それ以前の頭で考えたような制作に行き詰まり、
自らの手で 何かを作り出すのだと作陶の道へ。

1998年「衣食住」という生活の基本から 「美術」「工芸」を見つめたいと
「ギャルリ百草」を開廊。

2000年焼き物を学ぶ後進のために、仕事場、studioMAVOを開く。